墨絵&日本画 梨水

日本画によるペットの肖像画と墨絵教室

墨絵/水墨画/日本画/ペットの肖像画/Ink painting/Japanese painting/新百合ヶ丘
29日

若冲と蕪村展

若冲の枡目描き(部分)[1]

サントリー美術館で開催されている「若冲と蕪村」を観に行きました。今年は二人の生誕300年に当たるということで、「同い年の天才絵師」というキャッチフレーズで話題になっています。ポスターには有名な象と鯨の絵。広告は完璧です。

若冲は、明治以降忘れられた存在だったのを、アメリカ人収集家ジョー・プライスのコレクションによって再評価されたのだといいます。確かに、一番有名な象と鯨の絵は素晴らしかった。小さな四角をベースに描く「桝目描き」という技法は、ポップで斬新でそれは素敵です。鳥は、鶏も小鳥も描きなれている感じで表現が豊かです。

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しかし、墨絵は酷い。特に植物は苦手のようです。私たちは墨絵を描きますので、墨色や筆遣いについては見ればわかります。墨色は単調、筆の使い方もなってない。良い絵が全然ないのです。展覧会では墨絵の方が日本画より多かったように思いますが、ここに紹介するためにインターネットで墨絵の作品を検索しましたが、「若冲」で検索しても出て来るのは殆どが日本画で、私たちが展覧会で見たような墨絵は出てきません。敢えて載せる程のものがないからだと思います。

展覧会では、四双の屏風なのに明らかにヤル気がなくて描いたようなものもありました。でも、それを大勢の人が感心して見ています。有名だから、評価が高い絵師の作品だからという理由で良いものとして見ているようですが、多分若冲本人がこの展覧会を見たら恥ずかしくて隠したくなる作品はたくさんあったはずです。

人の評価というのはいい加減なものだと、友人と話しました。審美眼のある人は少ない。若冲は日本画の絵師としては素晴らしいかもしれませんが、だからといってすべての作品が素晴らしいわけではないのです。そういうわけで、この展覧会は全体として良いものではない、というのが私たちの感想でした。

社中展やります

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個展の一週間後に墨絵のお稽古がありました。そのクラスには2人の生徒さんがいて、それぞれ個性的な絵を描きます。人と一緒に描くのは、お互いに刺激になってとても良いことです。私が先生のところに通っていた時は、妹と従姉と私の3人でお稽古をしていました。従姉は長年中国旅行のガイドをしていた人で絵も大陸的、妹は上手くないけど面白い絵を描きます。私はといえば、どうしても優等生的な絵になってしまいそれがコンプレックスでしたが、2人と一緒に描くうちに段々と大胆さが出てきました。

思えば、私は習い始めて2年目に会の展覧会に出したのでした。初めての出品作はシュロの絵でしたが、今見てもなかなか良い絵です。展覧会は隔年でしたが、不思議なことに展覧会をやる度に腕が上がっていきました。これは誰にも起こる現象で、色々な人に見ていただいて批評を聞くことで何かが変わるのです。私の生徒さんはもう何年も通っている人たちで、十分に展覧会に出せる実力を持っています。

「展覧会をやろうか」と言ったら、2人は二つ返事で「やりたい!」と言いました。目標ができると張り合いが出ると、目を輝かせました。それで、来年の秋に初めての社中展を開くことに決まりました。「梨水会展」ではつまらないから、会の名前を決めよう。新しい目標ができて、私も嬉しい。

昨日さっそく絵を描きました。思った通りの絵が出来上がりました。当面のテーマは「猫のいる風景」にすること決めました。社中展か、ああ楽しみだな。